自転車に乗って

飼ってる犬と散歩に出掛けた。
買ってもらったばかりのカメラをぶらさげて。
お気に入りのピンクの自転車で
いつもの道をゆっくりと走る。
帰り際、坂道の手前で見た夕陽が
圧倒的な存在感で、同時に
もうすぐ消えてしまうはかなさも漂わせて、
そこにあった。
あの時の写真は今でも僕の中に
同じ気持ちを蘇らせてくれる

今を切り取る事は無意味だと
いつから思い込んでいただろう？
思い出は何かに触発されて初めて蘇るものだと
素直に思えなかったのはどうしてなんだろう

カメラはもうここにはないけれど
もう一度、写真を撮ろう。

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