もう一度だけ、キス。
2003年5月9日ハル君の掌が私のパジャマの裾から差し込まれ、胸に触れてくる。
いやだって言いたいのに唇が塞がれているせいで、うなってるみたいな声しか出てこない。
ハル君の手が下に移動してきた。
自分でも顔が青ざめていくのがわかった。
気持ち悪い。
そう思い始めるとと悪寒が走り、震えが止まらなくなる。
その激しさにハル君がようやく気付き、はっとしたように身体を離した。
私はいきなり解き放たれた反動で一気に力が抜け、へたり込んでしまった。
割れたコップの欠片が散乱しているのも構わずに。
両腕で自分自身を抱きしめる。
だけど震えが止まらない。
吐き気がするくらいの嫌悪感が頭の中をぐるぐるする。
「・・おれのこと嫌いなのか?」
ハル君が傷ついたような声で聞いてきた。
私は必死で首を振る。
そうじゃない。
嫌いじゃない、好き。大好き。
いつかはそういう日がくるかもって覚悟だってしてた。
なのになんで・・・?
どうしてこんなに・・・。
「違うの。多分まだ・・風邪で調子が悪いから」
ちゃんと伝わるだろうか。
ハル君に、傷ついて欲しくなかった。
そして自分でも、そう思いたかった。
風邪が治れば今度はできるって。
あ・・
だめだ。想像するだけで・・・キモチワルクなる・・・。
「ほんとに?なあほんとに?」
「ちゃんと好きよ?ごめんね、こんな・・」
「いやおれの方こそごめん、調子悪い時に・・大丈夫か?布団いく?」
うなずいてまだ震え続けている足をなんとか立ちあがらせ、手を貸してくれたハル君につかまってよろよろと歩いた。
さっきよりはだいぶ気分がよくなったけど、胸の辺りのむかむかした気分がとれない。
「コップの欠片、踏まなかった?」
ハル君が気遣ってきいてくれた。
「うん。痛くないから平気」
その気持ちが嬉しかった。
ベッドに横になるとハル君が布団を掛けてくれた。
温かい毛布に包まれていると、さっきまでのマイナスな感情が洗い流されるように引いていく。
「あの・・深久、お願いがあるんだけど、いいかな?」
「なあに?」
「あのさ、あの・・もう一回だけ、キスしていい?何もしないからさ・・」
なんだか申し訳なさそうな顔をしていうハル君がたまらなくカワイイ。
私は悪いなと思いながらもくすりと笑ってしまった。
「・・いいよ」
今度のキスはくすぐるような優しいキスだった。
ハル君は離れた後、よかった、とつぶやいた。
「なにが?」
「おれ・・もしかしたら深久に嫌われたんじゃないかと思ってた。この前のデート、不機嫌だったし、今日も断られたし」
「あ・・・」
そうか。気にしてたんだ、ずっと。気がつかなかった・・。
「ごめんね。ちゃんと電話とかで話せばよかったね」
メールでは、伝わりきれない気持ちをちゃんと言葉にしようと思った。
「そうだな。でもよかった、ほんと。じゃあおれ、帰るよ。深久もゆっくり休んで早く元気になれよ」
「あ、待ってハル君。私からもお願いがあるの」
「何?」
不安そうな表情で聞き返してくる。
そんな顔されると逆に照れちゃうよ・・
私は毛布を首まで引き上げてからハル君に行った。
「もう一回、キスして?」
★トップページの月別一覧リニューアルしました!一部この小説の素材集となっております。
まだ出てきてないシーンを先取りできるカモ・・・?日記ページも充実!きてね♪http://members.tripod.co.jp/raita_/index-2.html ★
いやだって言いたいのに唇が塞がれているせいで、うなってるみたいな声しか出てこない。
ハル君の手が下に移動してきた。
自分でも顔が青ざめていくのがわかった。
気持ち悪い。
そう思い始めるとと悪寒が走り、震えが止まらなくなる。
その激しさにハル君がようやく気付き、はっとしたように身体を離した。
私はいきなり解き放たれた反動で一気に力が抜け、へたり込んでしまった。
割れたコップの欠片が散乱しているのも構わずに。
両腕で自分自身を抱きしめる。
だけど震えが止まらない。
吐き気がするくらいの嫌悪感が頭の中をぐるぐるする。
「・・おれのこと嫌いなのか?」
ハル君が傷ついたような声で聞いてきた。
私は必死で首を振る。
そうじゃない。
嫌いじゃない、好き。大好き。
いつかはそういう日がくるかもって覚悟だってしてた。
なのになんで・・・?
どうしてこんなに・・・。
「違うの。多分まだ・・風邪で調子が悪いから」
ちゃんと伝わるだろうか。
ハル君に、傷ついて欲しくなかった。
そして自分でも、そう思いたかった。
風邪が治れば今度はできるって。
あ・・
だめだ。想像するだけで・・・キモチワルクなる・・・。
「ほんとに?なあほんとに?」
「ちゃんと好きよ?ごめんね、こんな・・」
「いやおれの方こそごめん、調子悪い時に・・大丈夫か?布団いく?」
うなずいてまだ震え続けている足をなんとか立ちあがらせ、手を貸してくれたハル君につかまってよろよろと歩いた。
さっきよりはだいぶ気分がよくなったけど、胸の辺りのむかむかした気分がとれない。
「コップの欠片、踏まなかった?」
ハル君が気遣ってきいてくれた。
「うん。痛くないから平気」
その気持ちが嬉しかった。
ベッドに横になるとハル君が布団を掛けてくれた。
温かい毛布に包まれていると、さっきまでのマイナスな感情が洗い流されるように引いていく。
「あの・・深久、お願いがあるんだけど、いいかな?」
「なあに?」
「あのさ、あの・・もう一回だけ、キスしていい?何もしないからさ・・」
なんだか申し訳なさそうな顔をしていうハル君がたまらなくカワイイ。
私は悪いなと思いながらもくすりと笑ってしまった。
「・・いいよ」
今度のキスはくすぐるような優しいキスだった。
ハル君は離れた後、よかった、とつぶやいた。
「なにが?」
「おれ・・もしかしたら深久に嫌われたんじゃないかと思ってた。この前のデート、不機嫌だったし、今日も断られたし」
「あ・・・」
そうか。気にしてたんだ、ずっと。気がつかなかった・・。
「ごめんね。ちゃんと電話とかで話せばよかったね」
メールでは、伝わりきれない気持ちをちゃんと言葉にしようと思った。
「そうだな。でもよかった、ほんと。じゃあおれ、帰るよ。深久もゆっくり休んで早く元気になれよ」
「あ、待ってハル君。私からもお願いがあるの」
「何?」
不安そうな表情で聞き返してくる。
そんな顔されると逆に照れちゃうよ・・
私は毛布を首まで引き上げてからハル君に行った。
「もう一回、キスして?」
★トップページの月別一覧リニューアルしました!一部この小説の素材集となっております。
まだ出てきてないシーンを先取りできるカモ・・・?日記ページも充実!きてね♪http://members.tripod.co.jp/raita_/index-2.html ★
コメント