(σ・∀・)σ41ゲッツ!

「お兄ちゃん!?」
はっと飛び起きて、慌てて私は口をつぐんだ。
すぐ横で椅子の上に座り、脚を組んだまま眠っている。
ほう、とため息をついてからようやく自分がベッドの上で寝ていたことに気付いた。
どうもその辺りの記憶がない。

帰らないでいてくれたんだ・・・。
うつむいた顔からは規則正しい寝息が聞こえてくる。
私はベッドの端に腰掛け、首を傾けて覗き込んだ。
安らいだ表情で眠っている。
お兄ちゃんの寝顔見たの何日振りかな。
昔は毎朝起こしてたのに、あんなに寝起きが悪かったのが嘘みたいに最近は自分から起きていたから、寝顔を見たのはあのお風呂場での一件くらい・・。
思い出しかけると記憶の糸がするするとほどけるように昨夜のことが思い浮かんだ。

私もう、お兄ちゃんの’カノジョ’なんだ。

顔に血が登ってしまう。
それにしても何でこんなトコで寝てるのかな。
体中痛くなるだろうに。
でも、嬉しい。
ふふ、と私は笑ってしまった。
「可愛い寝顔・・・」
声にならないくらい小さな声でつぶやく。
すっとこの寝顔を見ていたい。
虚勢もない、皮肉も意地悪もない、ありのままのこんなお兄ちゃんは滅多に見れるものじゃない。
触るくらいなら・・いいよね?
おずおずとその前髪に触れようと手を伸ばした瞬間、しゃきっと音が聞こえそうなほど唐突にお兄ちゃんが目を開けたので私は急いで手を引っ込めた。
「あれ?起きてたんだ」
「う・・・ん」
「おはよう」
「おはよ・・・」
びっ・・くりした・・・
別にいけないことをしたわけでもないのにうろたえてしまった。
そんな私を見てお兄ちゃんがふっと笑った。
「何か作るよ。久しぶりだし」
「あ、ありがと・・・」
「でもその前に」
お兄ちゃんの左手がベッドの端に掛けられ、右手が私の頬に添えられた。
素早く唇を合わせてからおはようのキス、と囁いて離れた。
「ちょともう・・お兄ちゃんってば・・・!」
「怒るなよ。ずっとやりたかったんだ、こういうの」
照れ笑いを隠すようにお兄ちゃんはフレンチトーストでいいかな、と立ち上がりながら問いかけた。

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