(σ・∀・)σ99ゲッツ! ★またまたおさぼりごめんなさい。更新力、弱ってます・・。★

「私にもキスしたくせに」

黙っていられなかった。
気がついたら、声に出してた。
そのことに自分自身が一番驚く。

一瞬間を置いてから、トイレの個室のドアが開いた。
中からアサヒだけが出てきた。
悪びれた様子もない。
「え・・っと、ああ、あなた、屋上の人だよね?」
驚いた。
あの時とは全く違う自分に生まれ変わったと思っていたのに、アサヒはあっさり見抜いた。
「そうよ。近藤さんってあちこちで発情してんのね?場所を考えてよ」
キツイ言葉が飛び出してしまう。
でも感情は裏腹に、浮ついていた。

私のことを覚えていてくれた。
アサヒの心の一部分でも、私の居場所があった。
泣きたくなるほど、それが嬉しい。

「悪い悪い。えっと・・今度も口止めが必要かな?あの時はキスだったから、今日は・・・」
「結構よ」
私はぴしゃりと言い切れただろうか?
心の底では本当はソレを望んでいたこと・・・見抜かれなかった?
くるりと振り返り、私はトイレを後にした。
顔を見られたくない。
なのにアサヒはわざわざ私の前に回りこんできて、言った。
「ねえ、もう一度近藤さんって呼んでみてよ」
意外なアサヒの言葉に、私は思わず立ち止まった。
「な・・によ、近藤さん・・」
「ああ、やっぱりそうだ。うちのクラスの人だね?この前聞いても答えてくれないからてっきり違うのかと・・」
再び驚かされて私は目を瞠ってしまう。
「覚えてたの、私のこと・・・?」
「いつも挨拶してくれるよね?あたし朝弱くてテンション低いけどさ、朝からあんな素敵な挨拶されたら忘れられないって」
そういってにっこりと笑った。
それは初めて私だけに向けられた、私のための笑顔だった。

★ライターHPトップはコチラ↓
http://members.tripod.co.jp/raita_/index-2.html


コメント