(σ・∀・)σ105ゲッツ! ★只今の更新力1/2日です。素敵HITSサンクス!★ 

「アサヒぃ」
ミナが個室の向こうから呼ぶ声がした時には、私はアサヒに腕を掴まれてドアの外へと連れ出されていた。

「ちょっと・・いいの、あの子」
「いいって。あなたといる方が面白そう」
そう言ってアサヒがからから笑う。
私の腕はアサヒに取られたままだった。
にわかにどきどきし始める。
アサヒは早足で歩き出した。
「ねえ、どこ行くの」
私の問いかけにアサヒは笑顔で応え、名前、と言った。
「名前?」
「あなたの、名前。ごめんね、あたし覚えんのが苦手でさ」
「あ・・西谷エミ」
「エミ・・・」
とんとん、と空いてる方の指で自分のこめかみを二回叩いて了解、とつぶやく。
そういう行動一つ一つが新鮮だった。
初めてが、増えていく。

アサヒは何も言わず階段をどんどん昇っていく。
さっき何も言わなかった訳がわかった。
暗くて湿っぽい階段が終わるとアサヒは外へ続くドアを開けて私の手をひいた。

夕日が、飛び込んでくる。

そっちゅう屋上へは来ていたけれど、こんな時間に誰かときたのは初めてで、しかもその相手は思ってもみない人で。
私は思わずアサヒの顔を見て、そして自分の心臓の高鳴りを聞いた。
アサヒが真剣な顔でこっちを見ている。

オレンジ色に染まる視界が一瞬動いた。
いや、そうじゃない。
私が、動かされたんだ。

アサヒの腕の中で、私は息を止めていた。
「どうしてもっと早くエミの存在に気付かなかったのかな、あたし・・・」
アサヒに耳元で囁かれる。
それは、私が何より望んだアサヒからの言葉だった。

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「スターライト☆エクスプレス」ですわ★

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